南方熊楠は博物学者、生物学者、民俗学者として有名です。
しかし、シュリーマンと並ぶほどに語学の天才でした。
子供の頃から、驚異的な記憶力を持つ神童でした。
また常軌を逸した読書家でもあり、蔵書家の家で100冊を越える本を見せてもらい、それを家に帰って記憶から書写するという特殊な能力をもっていました。
記憶は3ページを毎日記憶していたという説があります。
その記憶力は写真のように記憶できたようで、まったく間違いがなかったようです。
そして、何日も家に帰らず山中で昆虫や植物を採集することがあり、「てんぎゃん(天狗)」というあだ名がありました。
旧制中学入学前に『和漢三才図会』『本草綱目』『諸国名所図会』『大和本草』『太平記』を書き写した筆写魔(ただし、『和漢三才図会』のみは筆写完了は旧制中学在学中)であり、また、旧制中学在学中には漢訳大蔵経を読破したといわれています。
語学にはきわめて堪能で英語、フランス語、ドイツ語はもとよりサンスクリット語におよぶ19ヶ国語の言語を操ったといわれています。
そんな南方熊楠が語学をマスターするのに最も効果的なのは、英語なら英語のフランス語ならフランス語の短文を繰り返し音読することだと述べています。
音読は地味ですので、その効果の大きさを強調されることが少ないのですが、天才といわれた人は音読を必ず取り入れています。
以前お話したシュリーマンについても語学の勉強は音読がすべてでした。
重要なのは、音読するものに意識を集中させる集中力です。
そのために、シュリーマンや南方熊楠は自分の好きな文章を暗記していったのです。
シュリーマンは音読の声が近所迷惑になり、たびたび引越しを余儀なくされました。
音読の方法は、以前から説明してきたとおり、大声である必要はありません。
記憶したいものは音読するという習慣をつけることが、とても重要です。
記憶術をマスターしたいという人は、音読の重要性に気付いていない人が多いです。
この2人は音読を強調したことで有名ですが、さらなる昔に音読で記憶力をはるかに向上させた人がいます。
それは、弘法大師つまり空海です。
彼は真言密教の秘伝と言われる呪文のようなものを100万回となえて記憶力を開発しました。
シュリーマンもひたすら音読を繰り返し、最後には1つの語学をマスターするのに4週間かからなかったそうです。
音読の重要性は大昔の人も知っていました。
歴史上の偉人が音読を重視していた事実、あなたはどうとらえますか?